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2017.5.23

【よしお、学ぶ。】「マンションの建て替え」ってなんだか大変そう!

【よしお、学ぶ。】「マンションの建て替え」ってなんだか大変そう!

こんにちは、よしおです。

 

新築マンションの高騰が続く昨今、都心じゃなかなか手が出せない状況が続いていますよね。(私の収入だと…かもしれないですけど。)

そんな中で注目されているのが「リフォーム」「リノベーション」

築年数がそこそこ経ってるマンションを購入して綺麗にして、自分好みに住む…なんて、新しいマンションの購入の仕方を選ぶ人もいるみたいです。

実際、中古市場は以前よりも元気になっているようです。

 

ただね、車でもギターでも何でも中古を購入するタイプの私は思うんですよ。

 

言うても寿命って、あるからね。

 

私は何でも少し古くて渋いものを好んで購入しますが、それとこれとは別ですからね。

いくら良いもので大事に使っていっても、年月が経てばなんだって脆くなるんですよ!人が作ったものは!

 

で、思ったんです。

 

これマンションも一緒じゃね?

 

なんかどっかで「今のコンクリートは100年は大丈夫」とか聞いたことありますけど…言うても!言うてもいつか壊れますよ!

だってコンクリだって雨風バンバン食らってればいつかは風化するはずですもん!

いくら塗膜がしっかりしてるっちゅーても、ちょーっとでも隙間ができたら雨水は侵入しますし、侵入したらほぼ必ず劣化しますもん!リフォーム屋の息子の私が言ってるんだから間違いない!たぶん。

 

で、さらにさらに私は思ったわけです。

 

大規模修繕の画像

大規模修繕の時の足場でガッチガチの時ってなんかかっこいいっすよね。

部屋はリフォーム、共用部は大規模修繕…でもやっぱり限界が見えたら建て替えますよね?

 

マンションの建て替えってどういうことなん!?

あんな湾岸あたりにバンバン建ってるタワマンとかも建て替えるの!?それめっちゃ大変じゃね!?金は!?誰が払うん!?住民!?てか建て替えって当たり前にできるもんなの!?

 

 

ぐわぁあああああああああ!!!!!!!!

マンションの建て替え、わかんないことだらけじゃぁああああああああ!!!!!!!!

 

 

 

…ふぅ。

 

 

よし、学ぼう(確信)

 

 

今日は意外と知られていないマンションの建て替えについてわたしと一緒に学びましょう!(前段が長い)

 

マンションの建て替えの事例

細かく細かーく説明するトコから入ってもいいんですけど、大体そういう記事って読み始めの序盤で心が折れて先まで読みたくなくなるので(途中でページを閉じられたくない作り手都合もあるけど…)、まずは建て替えの事例を軽いノリでバンバン見ちゃいましょう。

見てから考える、それもまた良し。

 

さぁ、建て替えマンションってどんなのがあるのかなん!?ヒャーウィゴー!!!!

 

 

①アトラスタワー六本木

六本木7丁目というとてつもない立地にできた建て替え物件。

元々は天城六本木マンション(1971年竣工)とホーマットガーネット(1980年竣工)という、2棟のヴィンテージマンションを建て替えて1棟のタワーマンションにした超豪華なプロジェクト。

総戸数は24戸+8戸から建て替え後90戸への大ジャンプ!

建て替え後はほとんど新顔住民っぽいけど、自分家が最新鋭のタワマンになったら幸せですよねぇ。(うっとり)

 

 

②ザ・神宮前レジデンス

ザ神宮前レジデンス

たまたま他の取材で撮ってた。謎のヴィンテージ加工済みなのが残念。

こちらも渋谷区神宮前3丁目という好立地の物件。

建て替え前は日本住宅公団が供給した原宿団地(1957年竣工)。

この建て替えでは6棟112戸の団地が1棟220戸のデザイナーズマンションに大変身!

団地→デザイナーズマンションになるなんて、新築時に誰が想像したでしょう…はぁ。(うっとりためいき)

 

 

③ザ・レジデンス三田

1964年竣工の文句なしのヴィンテージマンションだった港区の「シャトー三田」。

これが1棟95戸から1棟270戸へ、

且つ最高額の住戸は2億7千万円越えの正真正銘の億ションに大変身!!!!

ハイエンド物件からハイエンド物件への建て替え…もう異次元です。(白目)

 

 

3つほど事例を見てきましたが、なんだか建て替えって良いことずくめじゃないですか?

なんかどれを見てもだいたいハイスペックで最新鋭のマンションに生まれ変わってるし、建て替え最高じゃん!

 

 

だってさ、これって車で例えるなら30年前に買ったハイエース(画像上)を、今になって最新のアルファード(画像下)に替えてもらえるのといっしょってことでしょ?しかもフルオプションつけた状態でさ!すげーじゃん!

 

もう何もビビることないね!これで築25年のマンションでも恐れることなく即決できますよ!あなたもハイエースを即買いして、アルファードを手に入れよう!ビバ、建て替え!

 

 

 

 

 

まぁ、そんなうまい話はないわけで。

 

 

次からはマンションの建て替えに潜むおそろしい仕組みや問題点について述べていきます。

 

マンションの建て替えって何やんの?問題点は?

分譲マンションって区分所有じゃないですか。建て替えってどういう手続きになるんですかね?

アパート持ってる大家さんならわっかりやすいんですよ。入居者を新規で入れずに全員出ていくのを待って、あとは建て替え費用と相談すればよさそうですし。

ところが区分所有ってことは一戸ずつオーナーがいるわけで、それがみんなで建て替えの話するんですよね?

 

 

で、ネットの海で良い資料を発見しました。

 

 

ほう…。

賛成者だけで建て替えて住み続けるってわけですね。

で、反対した人たちは時価で買い取ってもらって出ていく、と。

なんか思ったよりあっさりしてます。こりゃ楽勝ですわ。

 

 

まぁ、もちろんそんな簡単な話なわけないんですけどね。

ていうか、そんな簡単な話なら記事にならないですわ!クセがあるから記事になるんですよ!クセがすごい。(確信)

 

 

建て替えに必要な最低条件…それは…、

「区分所有者の4/5の賛成が必要」なんです。

 

 

4/5ってやばくないですか?

普通に考えると…

 

50戸のマンションなら40世帯、

 

 

 

200戸なら160世帯、

 

 

 

1000戸なら800世帯ですよ!?

 

 

 

これは無理ゲーくさいすわ。

たぶん賛成集めなきゃいけないのがこの割合だと「自動販売機を共用部に置く」みたいなイージーそうな話でもまとまらないですよ。

 

それに建て替えって竣工から何十年も経ってから発生するんですよね?

新築時に適齢で買った人(35歳とする)が、例えば40年住んでたとしたら75歳ですよね?

 

私がその立場なら賛成しないっすね。もうそんな何十年も先があるわけじゃないし。

 

なんなら「思い出いっぱいの建物といっしょに朽ちていく…みたいなのも、素敵やん?」とか言い出す頑固じいさんになってそうな気がする。頑なになって拒否しそう。

 

まあでもそんな元も子もない話してもしょうがないので、話を進めましょう。

 

なんとか賛成派の住民は4/5の賛成を取りにいくわけですわ。

ところがその決議までの道のりが…

 

 

 

どう見たって険しい。

 

三段階もあるしコンサル入れないとできないし何か黄色い人の背中押してる赤いやつ段々増えるし!

挙句にしれっとお金の袋も追加されてるし!

こんな簡単な図でも容易じゃないのが伝わるっちゅーねん!

 

でさー、どうせあれでしょ?

③の計画段階であーでもないこーでもない言い合うわけでしょ?

「わしは今までの雰囲気を踏襲してなきゃいやじゃ!デザイナーズ!?もってのほかじゃ!」

とか言い出す頑固おやじとか、

「やっぱ建て替えとかめんどくさそうだしなぁ…どうしよっかなぁ…」

とか渋りだす人とかもいるわけでしょ?簡単に想像できるわ!

 

 

で、仮に何とかして賛成を4/5集めたとしてですよ。

 

そのあとだって図を見た限りでは「マンション建て替え組合の設立」だの「権利の変換」だのやらなきゃいけないめんどくさそうなことがいっぱいですよ…。

こんなん間違いなく新築で買う時よりやっかいなのが見え見えじゃないすか。

 

そりゃオンボロハイエースを最新型のアルファード・フルオプションにしてもらおうってんだから、それなりの苦労が必要になるってことなんでしょうな。

 

 

しかも、ですよ。

 

色々調べたところ、

どうやら建て替えられるマンションと建て替えられないマンションってのがあるらしい。

 

前提条件もあるんかいな!

次はその条件についてのお話です。

 

マンションの建て替えには条件がある!?

どうも建て替えができるマンションというのは条件があるらしいです。

その条件というのは…

 

 

「建て替え前より住戸を増やせるマンションでないといけない。」

ということです。

 

 

前述の図、③の計画段階に「デベロッパー等の事業協力者の参加」と書いてありますが、超簡単に言うと「おれたちデベロッパーに任せてさ住戸を増やして、それを売った分のお金で建て替え費用を賄おうぜ!」っていう支援が必要みたいです。

 

そりゃそうですよ。

だって土地は同じと言えども単純に新しいマンション建てるんですもん。相当費用がかかります。

それを修繕積立金だけでやろうっていうのは無理がありますわなぁ。それに持ち出しのお金が新築時と同様、またはそれ以上かかるってんならローン払い終えているであろう普通の住民は出ていきますしおすし。

 

そもそもですよ、住戸を増やそうと思ったらマンション自体がサイズアップするわけです。

となると、容積率にゆとりがないといけません。

さらに、増やした住戸がそれなりの価格で売り切れないといけないわけですから、人気のエリアのマンションに限られてくるわけです。

 

そうか…どうりで序盤に挙げた建て替え事例のマンション、どれもキラキラエリアだったわけだ。

郊外のこぢんまりとしたマンションとかだとちょっと難しそうな予感がするのは私だけじゃないはず。

 

 

 

ああ…夢のオンボロハイエース→アルファード計画が霞んでいく…。

(ていうかそもそもハイエース持ってないのに何の夢を見ているのだ私は。)

 

いかがでしたか?

すごーく浅く分譲マンションの建て替えについて学びましたが…いやはや、浅く学んだだけでも建て替えって大変そうです。こりゃ一筋縄ではいかなそうですね。

 

ただ、この「マンション建て替え問題」をチャンスとして捉えてがんばっているデベロッパーさんやスタートアップの人々もたくさんいるようです!

今後、これらの新たな取り組みやチャレンジを取り上げていこうと思います!

 

 

では、また。

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