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がんばるマーキュリー 薩摩だワン
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マーキュリーDataNews10月号

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マーケティング

2018.8.30

【伝聞さんぽ】西国分寺。「”ニュータウン”を守り続ける”ニュータウン”」

【伝聞さんぽ】は、「住みたい街ランキング」に名を連ねるような注目エリアではないけれど、魅力たっぷりな街を人から聞いて発掘する、シリーズ連載の街レポートです。その街に住んでいる人or住んでいた人の話を聞いて…つまり、”伝聞を頼って”ライター・よしおが街を訪れ、完全に主観的な視点で魅力を紹介していきます。

第三回は、中央線・武蔵野線西国分寺駅周辺エリアをお届けします。

 

自分が住んでいる街というのは、大概そんなに魅力的に感じないものだ。

 

仕事へ行く、日用品や食材を買う、ランチを食べる、ふらっと飲みに行く、あてもなく散歩をする…そういう日常のありふれたシーンでキラリと光る街の魅力というのは、あまりにも身近に在るせいで気づかないものだったりする。

それは富山の漁師の家に生まれた子が日々食卓に並ぶ新鮮な海産物の貴重さに気づかないのと同じだし、新潟の農家の子が毎日食べるコシヒカリの格別なおいしさに気がつかないのと同じだ。

彼らからしたら、「魚は魚。」だし、「米は米。」でしかなくて、なんならうんざりしてるから今更あえて食べたいとすら思えなかったりする。

(大概、上京してすぐに今までの境遇の特別さに気がついたりするのもまたおもしろい。)

 

なんでこんな話をしたかと言えば、「当たり前に享受しているがために、その魅力に気づいていない人」を身近で見つけてしまったからだ。

 

チーム最年少の「のん」、この人だ。

 

『いや、ほんと何もない街ですよ。何の良いところもないです。ただの住宅街です。誰にもまったくお勧めできないです。』

 

自分が住んでる街、西国分寺をここまで悪く言うのにはビックリだ。

イマドキの若者は地元愛が強いという調査結果まで出てる現代において、東京都内、それも「住みたい街ランキング」だかなんだかでカブが爆上がりしている中央線沿いに住んでいてこの言いっぷり、かなりマイノリティな気がする。

 

…何だろう。

何かふつふつと私の中で湧き上がるこの思い、この衝動。

 

思わず私の口から出た言葉から、今回の伝聞さんぽは始まります。

 

「いや、絶対良いところあるから。無いわけないから。良いところ逆に教えてあげるから、さんぽ、付き合って。」

 

本来の伝聞さんぽの在り方とは違う気がするけど、ま、いっか。

 

不便?…どの口が言うか。

西国分寺駅

西国分寺の改札前の風景

全然乗り気でないのんを連れ、真夏の西国分寺に降り立つ。

駅前は想像していた以上に綺麗にまとまっている印象だ。

駅ビルのテナントには定番のスーパーや本屋、スポーツクラブなどが軒を連ねていて、まったく不便さは感じない。

駅ビルのエントランス前には什器を並べた露店も出ていてまったく寂しげではないし、清潔感もあってすごくいい。

 

『いやぁ、何も買い物できるとこなくて不便でしょうがないですよ。』

 

おい、のんよ。君はどれだけ高望みしているんだ。

東武ストアがある駅だぞ?十分すぎるほど便利じゃないか。

西国分寺駅前ロータリー

西国分寺駅前のタワーマンション

駅前のロータリーも綺麗にまとまっていてすごく良い。

少し前に建てられたであろうマンションや、最新のタワーマンションが整然と立っていて、思うに、人口は結構多いのではないだろうか。平日の昼間なのでそこまで人通りは多く無いが、週末は中々賑やかなのだろう。

 

俯瞰してみればすぐにわかる、この街の「大事なもの」。

西国分寺駅から中央線を臨む画

橋の上から中央線を伝って眺めてみると、この街のバランスがよくわかる。

住宅街、商業施設、そして緑。

それに線路の先にそびえ立つ国分寺のツインタワーがこちらを見下ろす…この構図こそが、西国分寺を綺麗に表している。

経済的な繁栄や隆盛ではなく、この街が大事にしているのは「住まう人」と「その生活」だけだ。それ以外の役目は近隣のキラキラタウンに一任する…そんな割り切りがはっきり見てとれる。

西国分寺のビル側のロータリー

駅から少し離れたところにまたロータリー。おそらく右側に写るマンションのために作られたもの。

西国分寺の団地の真ん中を進むのん
西国分寺のちょっと古いマンション
国分寺市いきいきセンターの看板

(おそらく)90年代に建てられたであろうマンションが連なり、どこかノスタルジーを感じさせる。

老朽化して住民がどんどんいなくなっていく寂しい団地密集地をいくつか知っているが、少なくともここにその線引きは当てはまらない。

セミのやかましい鳴き声、遠くから聞こえる子供の甲高いシャウト、少し渋みを感じる草木のにおい。

 

なんだなんだ、ここは。

私が幼少期を過ごした団地で感じた「安心感」みたいなものに満ち溢れているではないか。

最新鋭の駅近大型マンションでは演出できないこの牧歌的な空気が、まさか東京都心から30分足らずの場所で感じられるとは思いもしなかった。

古いマンションの向こう側で開発される西国分寺の新しいマンション
西国分寺の新しい街並みと古いマンション

では、そんな西国分寺が「ノスタルジーに浸れる緩やかに衰退していく街」なのかと言えば、それは否、まったく違う。

30歳前後になり、少し劣化を見せはじめたマンションの脇から見える景色には、すでに次の命の伊吹が垣間見える。時代に置き去りにされた数多くの住宅街とは違い、この街はしっかりと世代交代を進めているのだ。

 

建物は決して新しくなくとも、街自体は未だぐんぐん開発が進んでいる。

新たに作られた広い歩道を通って帰宅する子供たちは石蹴りと追いかけっこに夢中だ。真夏なのに子供は元気だな。うん、ほんとにノスタルジックだ。心地よい。

 

目一杯の緑と、隣接する住宅。

西国分寺の広大な公園
西国分寺の武蔵国分寺公園
緑が続く側道を進むと、大きな公園にたどり着く。

武蔵国分寺公園だ。

この公園は109,485.03平方メートル(公式サイト調べ)もある巨大な公園だ。

平方メートルで言われてもよくわからないと思うが、よく使われる比較方法で例えると、東京ドーム2つがすっぽり入ってまだ余裕があるほどの広さだ。かなり大きい。

 

側道を抜けた先にある西国分寺の公園と住宅

この広大な公園を見下ろすように団地が建っている。これは公務員向けの宿舎だが、随分いいところに建てたもんだと感心した。目一杯緑が溢れていて、羨ましい限りの住環境だ。

カメラを構えて公園を撮るのん
武蔵野国分寺公園から臨む再開発

公園の向こうには高層マンションとクレーン。

緑と、安全なコンクリート。

この街は古き良きニュータウンのコンセプトを未だに守り続け、そして発展している。

 

おい、のん。

現時点で結構良い街に感じられるぞ?子供がいる家族なら、間違いなく最高じゃないか。

 

『いやいや、広い公園とマンションが近い位置に建ってるだけですから。このぐらいなら他の街にもあります。』

 

うーん、強情だ。

 

都心では考えられない、美しいオアシス。

西国分寺のオアシスへ向かうのん

公園を抜けて数分歩くと、小さな森のような場所に出る。

少し気温が低く、気持ちが良い。

虫が鳴き、風で木々が揺れ、街の喧騒はまったく聞こえてこない。

 

階段を降りて行った先で、流水音が聞こえる。

音の元へ進むと、水が溢れて流れ出ている場所にたどりつく。

西国分寺の真姿の池湧水群

 

西国分寺真姿の池湧水群のアップ

「真姿の池湧水群」だ。

環境省選定名水百選にも選ばれるような、ありがたい湧き水とのこと。

水は大変透き通っていて美しく、都会の水路で度々感じる嫌な臭いも、もちろんまったくない。この透明度の高さは水質によるところもあるのだろうが、湧き出す勢いが強く、流れが滞らないことも理由の一つだろう。井の頭公園の「お茶の水」よりは明らかに水量が多い。

環境省選定名水百選に選ばれた西国分寺真姿の池湧水群の水を触るのん

この水は夏でも結構冷たい。避暑目的でさんぽをするにはもってこいの場所だ。

西国分寺の閑静な住宅街
西国分寺の閑静な住宅街から公園を先に見据えて歩くのん
西国分寺の公園と隣接する戸建て群

真姿の池湧水群を抜けて数分歩くと、また緑が広がる場所に突き当たる。

本当にこの街は「緑」と「住宅」をくっつけるのが好きだ。とても良いことだと思う。

 

西国分寺の古寺公園
太陽に当たる西国分寺のひまわり

さらに歩みを進めると、広大な緑地が姿を表し、緑地の隅っこではちょっとした畑があって、ひまわりが太陽に向かっている。これだけ見たら、ほんとにここが都心から数十分の場所だとは思えない。

西国分寺の大きな木
西国分寺の木陰で休むのん

休むのにちょうど良さそうな大きな木があったので、しばし休憩。

おい、のん。西国分寺、良い街じゃないか。

 

『さんぽしながら語られたおかげで、確かに良い街な気がしてきましたね。やっぱりほら、ずっと住んでるとその良さに中々気がつかないものですよ。ほら、私、生まれてからずっとここに住んでるから他の街知らないし。』

 

必死で言い訳しながら笑って誤魔化す…まったく。

まぁ、わかったなら良しとしよう。

いや、待て。そもそも私はなんでこんなムキになっているんだ?

 

…ま、いっか。

 

この街で生まれて、この街に戻ってくる。それがほんとのニュータウン。

西国分寺の路地裏

ちょこっとだけど、こういう路地裏の憩いもある。

ニュータウンとは、本来”循環機関”でなければいけないはずだ。モノが作られて、人とカネが溜まって、世帯の若年層が巣立っていったら過疎化する…本来はそうあるべきでないはずだ。巣立っていった若者たちは都会の喧騒に揉まれながら独り立ちし、家族を増やし、また元の街に戻ってくる。それがニュータウンの正しい形のはずだ。

西国分寺の長い橋を渡るのん

ところが実際にはそんなにうまくいかない。当初に計画された街づくりは鉄道駅を拠点に近辺をざっくり作り変えたら途端に失速し、その後は、その街の景気・経済活動を注視しながら、その成長率に合わせて新たな計画を打ち出そうとする。つまり、「思ったようにならなくなった段階で打ち捨てられる」ことが往々にして発生するのだ。

 

西国分寺高架の上でたそがれるのん

では、今回訪れた西国分寺はどうか。

この街はその悪しきニュータウンの流れには全く乗っかっていない。

80年代から90年代にかけて作られた多くの団地やマンションには未だ多くの洗濯物が干されているし、昼間はベビーカーを引いた母親が日陰の井戸端会議に夢中だ。

夕方になれば多くの子供達が下校時刻を迎えて賑わい、夜はそれぞれの家に暖かい明かりが灯る。

そのくせ、さらに新たな家族を受け入れるための発展途上な空気もまだまだ濃厚に漂わせている。

大笑いする西国分寺ののん

不要なものは諦め、もっとも大事にすべきところに注力する。

その結果、この街にはファミリーを受け入れるための土壌と、広大な緑が広がった。

だからこそ、この街は循環するのだ。

自分と同い年で一緒に育って来た住宅、そのすぐそばに建つ新しいマンションに戻ってくる。

これこそ、正しいニュータウンのモデルケースではないだろうか。

 

西国分寺のにしこくんの画像

なんかわからないけどイラっとくる「にしこくん」

このノスタルジーを感じながら、家に帰って缶ビールを飲もうと思う。

外で飲んで帰ったらダメなんだ。ニュータウンのお父さんたちは家に帰って、子供の寝顔を見てから缶ビールを飲むもんなのだから、今日ぐらい良い子に家に帰ろう。すごく暑かったし。

 

 

 

次回も誰かから教えてもらった素敵な街に行ってきます。

↓あなたのおすすめの良い街、教えてください。↓

Twitter:@ganbarumercury

 

では、また。

 

 

 

 

 

 

追記。

 

 

「ダシが効いた味噌ラーメン」って食べたことなかったけど、これはほんとにうまい。

この店を教えてくれたのん。君はセンスの塊だ。

ムタヒロのラーメン

店名:味噌中華そば ムタヒロ

住所:東京都国分寺市西恋ヶ窪2-6-5

営業日:無休

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