
こんにちは。よしおです。
突然ですが、みなさんは「マンションポエム」ってご存知ですか?
一時、Twitter界隈で話題になっていましたね。
元ネタはこれです。
高級マンション広告コピー「マンションポエム」を分析する
http://portal.nifty.com/kiji/130830161597_1.htm
カメラマンでライターの大山顕氏が、日々目にする分譲マンションの広告コピーに見出したそのファンタジックで独特な言葉の世界…それがマンションポエムなのです。
大山氏が紹介しているマンションポエムには、例えばこんなものがあります。
まるでフィクションのようなこの地を、私たちは『プラネット』と呼ぶことにした。
―ザ・タワーズダイバ―
お台場を惑星に例えるその圧倒的な世界感。「ザ・タワーズダイバ」の名前がコピーの後についていなければ、映画のキャッチコピーと間違えてしまいそうです。(「ザ・タワーズダイバ」という新作映画のキャッチだと言われても信じてしまいそうではありますが…)
他には、
ときめくために生まれた。
―ブリリア有明スカイタワー―
世の作詞家の方々もびっくりするであろう素敵な響きです。地上33階にあるスカイラウンジからの眺望を表現したのだと思いますが、フレーズだけ聞いたら完全にJ-POPの恋愛ソングのワンフレーズです。
これらのように、分譲マンションはそのマンションが持つ世界感を強烈にアピールすることで、他のマンションとの差別化を図っているわけです。
そんなマンションポエムを意識しだしてからマンションの公式ウェブサイトやパンフレットを見ると、いたるところのページテキストからどんどんマンションポエムが見つかってしまいます。
なので、日々の業務の備忘録的な意味も含めて、今回は私が発見した2015年販売開始の分譲マンションのマンションポエムから厳選した10件を、完全に私の独断と偏見だけでランキングにして皆さんにご紹介します。
第10位
めくるめく煌きの都心シーン。その中心にいつも私がいる。
―アトラス新宿左門町―
四谷3丁目駅から徒歩5分の好立地に立つアトラス新宿左門町。確かに都心ですね。
大学入るまで埼玉の中心でオイカワ釣ってた私からすると、「めくるめく煌きの都心シーン」という何とも言えないキラキラしたフレーズからイメージする都会らしさに、うっとりしちゃいます。
第9位
ちょっと歩いて、未来まで。
―ウィルローズ日本橋人形町―
日本橋二丁目地区の再開発への期待が込められています。
「ちょっと歩いて」の後につく「、」にぐっときます。(私はこの表現方法を「、」パターンと呼んでいます。)
JRの「そうだ 京都、行こう」もそうですが、「、」は時々いい仕事します。
ちょっと足すだけで、いい仕事。
第8位
東京駅を庭にする。
―ブリリアザレジデンス東京八重洲アベニュー―
たまりませんね。
「庭にする」という表現は結構ラフです…たとえば地元のマッチョバディでボス的なアニキがチンピラ相手に「ここはおれの庭だ。おれの庭で勝手は許さん。」みたいなことを言っているヴィジョンが簡単に想像できる通り、ちょっとやんちゃな表現です。
あえてそんなやんちゃな表現を使いたくなるほど立地が素晴らしいのがわかります。
ちなみに私の庭は見沼田んぼです。そこで勝手は許しません。
第7位
Life in the heart of Tokyo.
―プレシス東京湊ザレジデンス―
声に出して読んでみたい英語です。
リズムが最高なんです。
「the」と「heart」の発音がかっこよくキマると尚良しです。
世の澄んだ声を持つ女性シンガーに、新曲のタイトルとしておすすめします。
(たぶん著作権侵害で無理だとは思いますが。)
第6位
400年の伝統に想いを馳せる。受け継がれた文化に日本の本質を感じる。
―プラウド人形町―
日本橋の歴史がめちゃくちゃカッコよく伝わります。
ウィルローズ日本橋人形町といい、日本橋エリアはマンションポエムが豊作です。
第5位
ここにしかない、東京がある。
―クリオ東日本橋―
日本橋エリアで且つ「、」パターンのマンションポエムです。
シンプルですがパワーがあります。
ここまで読んでだんだん日本橋に住みたくなってきているのは私だけではないはず。
第4位
Tokyo Is Mine.
―オープンレジデンシア千代田東神田―
heartでLifeされたり庭だったりここにしかなかったりと、様々なマンションがその独自の権利を主張していた東京ですが、ここでついにオープンレジデンシア千代田東神田の手中に収まりました。
たった三つの単語ですが、これまでのどのマンションポエムよりも威力があります。マーボー豆腐の粒山椒ばりの破壊力です。
ポイントはそれぞれの単語の一文字目が大文字であることです。
フレーズが持つ左右のシンメトリーが際立っていますね。カッコいい。
第3位
瞬間(いま)も永住(これから)も、想う邸(すまい)。
―プレミスト千代田神田佐久間町―
ついにきました。
漢字の読み方が独自のものになってます。(これを私は「永遠(とわ)パターン」と呼んでいます。)
「(いま)」を「現在」にせず、「瞬間」とされたご担当者さまに私は是非弟子入りさせていただきたいです。
第2位
東京の中心で、永遠を想う。
―ウエリス茅場町―
なぜでしょう、頭の中で突然流れ出す「ひーとみーをとーじてー」。
これまでのランキング頻出ワードをたっぷり使いながら、「○○の中心で、○○を○○。」パターン…そうです、「セカチュパターン」ですね!
フレーズの脳内再生のしやすさはランキング一位で間違いないです、カッコよすぎます。
第1位
栄えある第一位の発表です。
もはやフレーズですらないのでちょっとズルい選考方法だったな…とは思うのですが、「マンションポエムとはつまりこういうことだ!」ということが完璧に表現されているテキストだと私は思っていますので、一位とさせていただきます。
私が独断と偏見で選んだ2015年マンションポエム第一位は…
陽ざし薫る朝。バルコニーのカーテンを開けると、まばゆい日差しが飛び込んでくる。淹れたてのイタリアンローストの薫りとともに、一日が始まる。そんな凛とした都会の朝を、こよなく愛している。
―ルフォンリブレ浅草寿―
もうほんとカッコいい。
マンションに住むとこんなカッコいい生活が待っているんだってワクワクします。
のっけから「陽ざし薫る朝」…そしてそれに係って登場する「イタリアンローストの薫り」…鼻血出そうになりました。
テキストがあまりにもカッコよすぎるので、「―」の間の物件名を適当なダンディ系俳優の名前に変えても「エッセイか何かの引用かな?」と違和感なく読むことができます。おすすめは草刈正雄氏です。
終わり。
いかがでしたでしょうか。
もうお気づきの方も多いとは思いますが、実はこのマンションポエム、「同エリアの中で販売時期が近い物件が多発した時」に発生しやすいんです。
近隣に競合物件が乱立する中、自社物件の特徴や独自性をどうにか表現する方法はないものか…と、ご担当者さまが頭を悩ませた結果生まれてくる至高のテキスト、それがマンションポエムなのです。
マンションポエムが生み出す独特な世界感…幻想的でワクワクさせてくれるそのテキストの魅力がみなさんに伝われば幸いです。
これから電車に乗った際には分譲マンションの中吊り広告に掲載されているマンションポエムをぜひ、チェックしてみてください。
おまけ。
最後に、弊社WEBデザイナーのタマ氏による、私の画像とどこぞの権利フリー素材を合成して作った、「2015年マンションポエム第一位の世界に浸るよしおの雑コライメージ画像」でお別れします。
では、また。