
「LINEスタンプってうち(の部署)で作れる?」
社内からの問いに、曖昧な返答しか出来なかったタマです。
皆さんLINEスタンプをご存知ない方はいないですよね??
LINE上で会話をするときに、様々なスタンプを押して自分の気持ちを表現したり、スタンプで会話を楽しんだりするものです。
そのスタンプ市場も様々な企業が参入しており、LINEスタンプを使って企業のPRや商品の認知促進をさせています。
楽天の「お買い物パンダ」、
りそなグループの「りそにゃ」など、LINEスタンプを出している企業の一例です。
そこで、今回は
・仕事で初めてLINEスタンプを作ることになったけどどうしよう!
・仕事でLINEスタンプ制作の依頼をされるかもしれない!
・そろそろ会社のPRでLINEスタンプを作ってみよう!
と、思っている方のために
企業からLINEスタンプ制作を依頼された想定で、実際に自分でLINEスタンプを作って販売する所までやってみました!!!!
今回はLINEスタンプを販売させるのに費用が一切かからないクリエイターズスタンプから販売することにします。
では、早速作っていきましょう!
LINEスタンプにするキャラクターを決める
仕事でLINEスタンプを作ってほしいと依頼される時は、企業のオリジナルキャラクターやPRしたい物や商品に関連するキャラクターで作ることになります。
キャラクターデザインから依頼されることもあれば、既存の企業オリジナルキャラクターで制作することもあります。
今回は、がんばるマーキュリーの公式キャラクターである「薩摩だワン!!」をLINEスタンプ化することにします!
なにこの犬って思った方もたくさんいらっしゃると思いますが実は犬ではありません(笑)
「薩摩だワン!!」について興味を持たれた方は
がんばるマーキュリーのオリジナルキャラを作ろう。【前編】
がんばるマーキュリーのオリジナルキャラを作ろう。【後編】の記事を参考にどうぞ。
LINEスタンプで使うパターンを決める
LINEスタンプでは日常会話、コミュニケーションで使いやすいものを推奨しています。
「おはよう」「お疲れ様」「おやすみ」などの挨拶や、「嬉しい」「悲しい」「怒」などの喜怒哀楽の表現を何パターンか考えてそれをスタンプ化する必要があります。 自分のトーク履歴を見てスタンプの使用履歴を参考にしたり、LINE初期状態からあるスタンプも参考にして考えるとそのパターンが楽に思いつきました。
それに沿って、手描きで「薩摩だワン!!」のラフを描いて、「薩摩だワン!!」のイラストの手慣らしをします。

ラフ絵の一例、我ながら酷いラフ絵だ、、、
ラフを描いていてキャラクターの表情に困った時は、初期スタンプのムーンやコニー、ジェームスの表情を参考にするのがいいです!
ここで注意してイラストを描かないと大変なことになります!
いざLINEスタンプができたからといって申請しても、審査の時に審査落ち(リジェクト)してしまうことがあるからなのです!
審査落ちしないようにスタンプ審査ガイドラインを読みましたが実例が載っていなかったので、審査落ち(リジェクト)の例を探しました。
今回リジェクトされたゴリラLINEスタンプ 気を付けましょう pic.twitter.com/kRdsgz1qNh
— 小山のぶ夫 (@nobuo2112) 2015年6月17日
暴力的な表現や、ス○パーマ○オに出てくるピ○チ姫のような衣装でも、著作物に引っかかる恐れがあるスタンプは審査落ちすることもあるのでご注意を!!
LINEスタンプクリエイターの皆さんの参考に、スタンプのリジェクト画像その1。
理由は「類似した構図・ポーズ」でした。#LINEスタンプ pic.twitter.com/lIpQRX28Dy— nopeyama@LINEスタンプ販売中 (@ngokuma) 2015年5月15日
このように類似した構図やポーズは審査に引っかかってしまうので、審査に出すスタンプは全部表情や構図を変えてみましょう。
LINEスタンプの申請で必要な素材を作る
ちなみに私は「イラレで簡単なイラストを描ける」「フォトショをいじれる」程度のスキルがあるので、IllustratorとPhotoshopのソフト使って作成することができます!
私はイラレで作っていきました。
枠線が太くて色は単色、ロゴマークのようなイラストを作るにはイラレが適しています。
それにイラレで作ったデータがあれば、グッズ化や商品化しやすいんだとか。
イラレのパスを使いこなせる方や、ペンタブを持っている方ならイラレで作った方が断然良いです!!
パスを使いこなせなくてもペンタブがあればイラストを実際にイラレで描いて作ればいいのです。
私は、イラレのブラシツールを使ってペンタブでイラストを描きました。
ここで役立ったのが、LINEスタンプのイラレ用テンプレートです!!!
こちらからイラレのテンプレートをダウンロードできます。ZIPファイルです。
そのテンプレートに実際作ったスタンプたちをはめ込みます。
370×300の規定サイズになっているのでレイヤーを分け、リサイズしてはめ込んでいきます。
リサイズする時に、パスのアウトライン化をしておかないと線の太さなどバラバラになってしまうので要注意です!
ここから効果と装飾もつけていきます。
手を振っている動作や、泣いている時の涙や震え、喜んでいるときの音符マークなど、表現に効果をつけます!
効果と装飾をつけ終わったのがこちら。
そしてイラレから一括保存をしていきます。
メイン画像、タブ表示画像、申請するスタンプ数のpng画像が必要になるので、詳しくは制作ガイドラインを参考にしてください。
クリエイター登録をする
LINEスタンプ販売への素材が全て揃ったので、クリエイターズスタンプからクリエイター登録をします!
クリエイター登録の方法は簡単で、「LINEアカウント」があれば個人情報を入力するだけでクリエイター登録ができます。
私もがんばるマーキュリー公式キャラクターのLINEスタンプを販売するので、会社用のLINEアカウントを新規で作ってクリエイター登録しました。
会社用の携帯の番号をもらってLINEのアカウントを作成しても良かったのですが、固定電話番号でも作成可能だったので、部署の固定電話番号を使ってLINEアカウントをつくりました。
クリエイター登録ができたら、スタンプの売り上げが入金される口座を登録します!!口座登録をしないと販売開始できないので要注意です!
そして、マイページから新規登録を押して自分の作ったLINEスタンプの画像素材を申請します!
いよいよLINE運営側の審査がはじまります。
審査待ちからの承認完了
私が審査にだしてからの経過です。
11月4日(金)審査待ち:15時20分に審査の申請をしました! 11月5日(土)審査待ち 11月6日(日)審査待ち 11月7日(月)審査待ち 11月8日(火)審査待ち 11月9日(水)審査待ち 11月10日(木)リジェクト:15時半くらいにリジェクトの通知がきました!2箇所 11月10日(木)審査待ち:修正したものを22時位に再度リクエスト! 11月11日(金)審査待ち 11月12日(土)審査待ち 11月13日(日)審査待ち 11月14日(月)審査待ち 11月15日(火)審査待ち 11月16日(水)審査中 11月17日(木)承認完了!(19時半くらいに承認されました!!) |
リジェクト1回含め大体2週間で審査を終えて承認されました!!!承認に1ヶ月以上もかかった方と比べると、早い方ですかね。
こちらが現在販売されている「薩摩だワン!!」のLINEスタンプです。
今回無事にLINEスタンプを販売するところまで出来ましたが、初めてLINEスタンプを作ったということでいくつか失敗もしてしまいました。
これからその失敗から学んだポイントを紹介します!!!!!
その1:40パターン無理に考える必要はなかった
最初はクリエイターズスタンプでLINEスタンプを販売させる時は、40パターンを考えて作らなきゃいけない!大変だ…orzとばかり思っていました。
ですが…クリエイターズスタンプでは販売前の申請時で8個/16個/24個/32個/40個で、販売個数を選択可能だったのです!!
ここの調べが甘かった私は、40パターンの「薩摩だワン!!」をイラレでLINEスタンプ化し、完成するまでヒィヒィ言いながら作っていました…!!!!撃沈wwww
40個以外の選択肢もあるので、無理に40個で申請しようとせずにまずはユーザーによるスタンプの使われ方を想定して、それに沿った個数で申請するのがよいと思います。
特に、初めて作るのであれば40個のパターンは相当な負担になりますし!
数多くのパターンで申請すればするほど、審査落ちする可能性も上がりますしね!
ですが、安く、多くのスタンプがあれば使う人にとってはお得で喜ばれるのではないかなーと思います。(痛い自分へのフォロー)
逆の立場、自分が買うなら安くて多くの種類があるLINEスタンプを買いたいですし!(痛い自分へのフォロー2回目)
と、いうことで私は「薩摩だワン!!」のスタンプを40パターンも作ってしまったので、そのまま申請しましたけどね。(開き直り)
仕事でLINEスタンプを作るなら、何種類で、いくらで発売するかをクリエイターズスタンプで細かく設定出来るので、先に決めてから制作に取り組んだ方がいいと思います!
その2:複雑な造形のキャラクターを描くのが大変だった
今回、がんばるマーキュリーの公式キャラクターである「薩摩だワン!!」でLINEスタンプを作ったのですが…このキャラクターは物凄く描くのが大変でした。特に兜が。。。
でも私は40パターンも「薩摩だワン!!」を描いたから大変と感じただけで、パターン数が少なければ少ないほど、すぐLINEスタンプを作ることができるので、その分楽にイラストを描けますよね!
実際の仕事では、「このキャラクターを使ってLINEスタンプを作って」と指定されたキャラクターで依頼されることが多いと思いますが、どんなに細かいデザインのキャラクターであろうと、納期を守ってLINEスタンプ化させないといけません。
なので、キャラクター造形が工数に影響することは事前にデザイナーから伝えたほうがよいとおもいます。
LINEスタンプにするキャラクターからデザイン出来る場合は、簡単なイラストで描けるキャラクターで作るのをオススメします!!!!
その3:調べたのに審査落ち(リジェクト)してしまった
審査落ち(リジェクト)しないように、クリエイターズスタンプのスタンプ審査ガイドラインを読んだり、他の人のリジェクト例を参考にしたのにもかかわらず、リジェクトされてしまいました。
ちなみにリジェクトされたカットがこちら
犬がマーキングしているとスタンプと犬が怒っているスタンプでした。
3.11.過度に不快、または粗野なもの
3.15.ユーザーが混乱、嫌悪するように設計されているもの
引用:スタンプ審査ガイドライン
犬のマーキングは過去にスタンプで審査通っていた方もいたので大丈夫かなと思ったのですが、ダメでしたね!!!!
そしてこの2点を修正して、再度申請したのがこちら
1点は何も引っかからないよう、新たに作り直して申請しましたw
過去に他の人が審査に通ったからといって、自分の審査では通る保証はありません。
LINEスタンプの審査の基準も絶対はないので、今回審査落ち箇所が2つで済んだことは運が良かっただけなのかもしれません。
その4:スケジュール組みが甘くて大幅に遅れた
スタンプのイラストは、物によりますが1個辺り早くて15〜30分、長くて2時間で作成しています。審査の期間は1週間で終わるとばかり思ってLINEスタンプを作っていましたが、スタンプの意味合いがダブってしまった「薩摩だワン!!」の修正時間や、スタンプに効果や装飾をつける時間も含めると、かなりの時間を使ってLINEスタンプを完成させました。
審査は最短で1~4日で承認されたって方もいるみたいですが、1ヶ月以上かかる方もいるので、どのくらいの期間で承認されるかはバラバラです。
審査の期間もとにかくLINE運営側の都合になってしまいます。
なので、納期がある場合は制作日数と審査期間に余裕をもってスケジュールに組み込んでLINEスタンプを作成していけばいいと思います。
スケジュールは絶対制作時間以外に、審査期間で1ヶ月以上の余裕を持って行動してください!!!!!
イラストをアイコン化することに1週間で完成したとしても、審査(リジェクトの可能性も含める)に1ヶ月以上かかるケースもあるということを念頭においておきましょう!
いかがでしたか?
今回、初めてLINEスタンプを作ってみましたが、自分の調べが甘かったせいで初めて販売するのに40パターンも作って大変な目にあったり、審査落ち(リジェクト)しないと思っていてもしてしまったり、そのせいでスケジュールが遅れてしまったりと、色んな失敗をしてしまいました。
これからLINEスタンプを作る皆さんには、少しでもこのような失敗が減ることを願っています!
今回は初めての制作だったので作成から実際の販売までもっていくのがやっとでしたが、次はユーザーターゲットの設定などマーケティングをしっかり行ったり、また、アニメーションスタンプなど別の種類のスタンプで作成するなど、色んなことに挑戦してみたいと思います!